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coco's bloblog


07/01/08

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バッド・チリ (角川文庫)

沖合油田の仕事を終え、意気揚揚と家に戻ったハップ。しかし町では悪友のゲイ、レナードが恋人ラウルとの破局を迎えていた。トラブルの予感…。案の定、すぐにラウルの新恋人が死体で発見され、レナードが容疑者に。だが友を救うためとはいえ、ハップは法律を曲げたりはしない。例によって、踏みつけることにした―。ワケありの看護婦ブレットとのロマンス、謎のチリ・キングの暗躍、超ド級の竜巻の襲来、累累と積み重なる死体、睾○を襲う電気ショック…。有害図書指定へ向けシリーズ最高のテンションで飛ばす問題作。


例えばジャック・ケッチャムとかリチャード・レイモンとか、人前で面白いと言い切ることが躊躇われる作品は色々ありますが、女性にとってとりわけ恥ずかしいシリーズがこれ。ほとんど全ての会話に<ク○>とか<ケ○のあ○>とか出てきますが、でもここに出てくるのが実にいい男ばかりなのですよ。職なし金なし未来なしとまさにロクデナシを絵に描いたような主人公2人ですが、それでも揺るぎない人生観と尊厳を持って生きているのが安心して読んでいられるところ。作品によってスタイルはコロコロ変われど、書いているのが職人ランズデールというところもまた安心できる大きな要因。

今回は口汚い登場人物も増量されてますます快調。『サンセット・ヒート』でより深く描かれることになる逞しい女性像を体現したかのようなヒロインも嬉しいところで、そこにこの作家がいつもさりげなく塗りこめる女性への虐待問題など絡めつつ、さらには弱者への差別、社会の腐敗など硬派な問題提起も鮮やかに、けっして下品なだけの作品に堕していないところがこのシリーズを読み応えあるものとしています。(とはいえ盛大に噴いてしまうので電車内では絶対読めない。)

それにしても巻末の作者近影の写真は早川のそれと比べると随分印象が違っていて、私にはこれがハップのイメージになってしまって困ります。鹿狩りに出かけたものの、間違って仲間の尻を撃ってしまった男(それも二年連続で)、といった風情のなんとも微妙な表情が印象的。ところで、早川はそろそろこの作家の短編集をまとめてくれなくちゃだめだ。