Hatena::Grouphorror

coco's bloblog


07/02/24

[] 『ルナシー』 ヤン・シュヴァンクマイエル監督  『ルナシー』 ヤン・シュヴァンクマイエル監督 - coco's bloblog を含むブックマーク はてなブックマーク -  『ルナシー』 ヤン・シュヴァンクマイエル監督 - coco's bloblog

休日出勤したときだけの愉しみ、ということで仕事は早めに切り上げて名古屋シネマテークに行ってきました。『オテサーネク』以来となる久々のシュヴァンクマイエルの長編作品です。

f:id:COCO:20070224222359j:image

『アリス』、『悦楽共犯者』、『オテサーネク』など、数々の問題作を世に送り出し、世界中のクリエイターから熱狂的な支持を集めるチェコの鬼才アーティスト、ヤン・シュヴァンクマイエル待望の新作が堂々完成!本編は、エドガー・アラン・ポーやマルキ・ド・サドから着想を得て、30年間の構想の後に作られた挑発的な“哲学的ホラー”。

フランスの精神病棟を舞台に繰り広げられる、自由と権力の軋轢、肉体と精神の葛藤、性と暴力の解放、神と自然への冒涜…。それは、非現実な寓話とリアルな恐怖の間を彷徨う。真実とは、そして狂気とは-現代に生きる私たちの本質を揺るがす社会的問題作!

冒頭、監督自身が登場して、「芸術は死んだ。これはホラー映画だ」との宣言がなされます。そしてサド侯爵とポオにインスパイアされたとの告白も。サドについては門外漢のため触れませんが、ポオについては観ていればすぐにこれが『タール博士とフェザー教授の療法』だということがわかります。帰ってから20年振りくらいで再読してみましたが、後半の狂騒の絵作りのみならず痛烈なユーモアなどもそのままに映し取っています。そしてそこに倒錯的な文明批判なども盛り込んで、随分刺激的なイメージに満ちた作品となっていました。

『オテサーネク』と同じく、本人の弁なくしてもこれまたホラーとして楽しめるような仕上がり。イメージだけで成り立つ短編と違い、長編ではお馴染みのストップモーション・アニメの部分が乖離してしまっている印象を以前は持っていましたが、しかし今回のこの蠢く肉塊!無意味に挿入されているようにすら見える、正気も狂気も等しく包み込んだこの這い回る肉のシーンの数々が、冒頭の「これは芸術作品などではなく単なるホラーだ」の言葉とは裏腹に十分哲学的な高揚と効用をもたらすと共に、あまりにも脆い自身の肉体を実感するときにのみ感じるホラー映画ならではの恐怖をも出来させて圧倒的な存在感を放っています。これを観てしばらく肉が食べられない、なんてことを言うのは大間違い。そんなこと言ったって数日したらどうせ食べることになるんだから。それよりも記憶を風化させることなく、日々血と肉を実感しながらよーく噛み締めて食べるべし。人間なんて所詮は骨の袋だということを忘れないように。

ああ、でも、あのスカトロを意識していることが見え見えのチョコケーキを食べるシーンにはちょっとだけやられた・・・。


[] 地獄に道連れ  地獄に道連れ - coco's bloblog を含むブックマーク はてなブックマーク -  地獄に道連れ - coco's bloblog

早川さんからネットゲームに誘われた富士見さん、随分楽しんだようで翌日岩波さんに説明を始めましたが・・・

f:id:COCO:20070224011118g:image

しかし岩波さんのいつものあれが始まりました。

f:id:COCO:20070224011149g:image

「・・・もっと学問として真剣に考えてみたことはあるの?例えば、フローベールは『聖アントワヌの誘惑』の中で、魔法の知識を持って悪魔に打ち勝ったソロモン王についてこんなことを言ってるの。

この魔法という学問は崇高なものだ。なぜかというにこの世界は、―ある科学者が説明してくれたとおりに― 一つの総体を形成し、そのすべての部分がお互いに力を及ぼし合っていて、あたかも一個の肉体の諸器官のようだからだ。森羅万象に自然と備わった親和力なり反撥力なりを熟知したあとで、甫めてそれが自在に操れることになる。・・・だから、不変不動の秩序と見えるものでも、変化させることができるのではあるまいか?

こういった背景の一つも知らずに・・・くどくどくどくど・・・」

f:id:COCO:20070224011221g:image

f:id:COCO:20070224011228g:image

今日のところは引き分け。