07/05/23
■ [本] 『シャーロック・ホームズ対ドラキュラ―あるいは血まみれ伯爵の冒険』

ジョン・H. ワトスン著, ローレン・D. エスルマン編
シャーロック・ホームズの輝かしい冒険のなかに、まだ公開されていない大事件があった。それはあのドラキュラ伯爵にまつわる怖しい怪事件であった。なんとホームズは、ドラキュラ伯爵とすさまじい死闘を演じたことがあったのだ…。ハードボイルド作家として知られるローレン・D・エスルマンが、ホームズ・パロディーに挑戦した若き日の快作、遂に登場。
タイトルだけできわもの扱いされそうな本ですが、意外にも中身はしっかりしています。『ドラキュラ』のプロットの隙間にホームズとワトスンコンビのアクションを上手くはめ込み、オリジナルの語り口も再現して読み心地は上々。ブラム・ストーカーの著作をまがい物としてホームズに退治させたりするようなものではなく、どちらの原作も立てた上での(さほど)無理のない筋運びは結果として物足りなさが残るものの、両作品を良く知る読者には仕掛けも多くて愉しめる小品ではないでしょうか。
ただしあくまでホームズものということが大前提なので、ホラー要素など期待してはいけません。懐疑的なワトスン・フィルターによって恐怖の色香などは望むべくもないのです。こうなるともっと伯爵側に肉薄したパロディも読んでみたいね、などと思ったけれど、それはキム・ニューマンの『ドラキュラ紀元』だ。そのうち再読しよう。
今日から読み始めたのはフローベール『ボヴァリー婦人』、フォークナー『響きと怒り』の二冊。フォークナーは序盤から混乱極まれり。なのでフローベールに傾きがち。







