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coco's bloblog


07/09/23

[] 『人類は衰退しました』 田中ロミオ  『人類は衰退しました』 田中ロミオ - coco's bloblog を含むブックマーク はてなブックマーク -  『人類は衰退しました』 田中ロミオ - coco's bloblog

人類は衰退しました (ガガガ文庫)

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は”妖精さん”のものだったりします。平均身長10センチで3頭身、高い知能を持ち、お菓子が大好きな妖精さんたち。わたしは、そんな妖精さんと人との間を取り持つ重要な職、国際公務員の”調停官”となり、故郷のクスノキの里に帰ってきました。祖父の年齢でも現役でできる仕事なのだから、さぞや楽なのだろうとこの職を選んだわたしは、さっそく妖精さんたちに挨拶に出向いたのですが……。


おお、これもまた素晴らしい。妖精さんたちのセリフを聞いているだけでなんともいえない多幸感に包まれてどこか遠くへと連れ去られてしまった。

人類が<滅亡した>のではなく<衰退した>世界。あらゆる束縛から開放され、道楽と仕事をごっちゃにしつついい加減に生きている人類代表(?)の語り手を見るにつけ、これは衰退でもなんでもなく本来あるべき人間の姿を取り戻しただけなのでは、と思えてきます。人生の終焉間近になったらここに描かれたようなゆるやかなリタイア生活を送りたいというのは一つの願望ではありますが、まさに終焉間近にならないとそんな立場にも境地になれない世界の現状そのものが間違っているのではということです。

遥かな過去、人は妖精(ここは色んなものに置き換え可能)の存在を身近に感じ取って生きていたはずですが、現在それらの存在を見ることはかないませんし、見たなどと云おうもうのならお花畑の住人に認定されてしまいます。しかし衰退したことで再び彼らの姿を目にすることとなった人類は、代わりに何かもっと大切なものを取り戻したと言えるのではないでしょうか。

序盤はライフ・シミュレーター、後半はゴッド・ゲームなど、全編を通じてゲームらしさが感じられるのも面白いところですが、新たな文明の勃興と進化の繰り返しに他の生物の排除や二の次にされる環境問題といった毒が幾分なりと含まれているところが空恐ろしくもあったりします。


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『バゴンボの嗅ぎタバコ入れ』 カート・ヴォネガット

バゴンボの嗅ぎタバコ入れ (ハヤカワ文庫SF)

 そういえばこの作家の短編って読んだことがなかった。楽しみ。


『死せる魔女がゆく』 キム・ハリスン

死せる魔女がゆく 上 [魔女探偵レイチェル] (ハヤカワ文庫FT)死せる魔女がゆく 下 [魔女探偵レイチェル] (ハヤカワ文庫FT)

 『ブラッド・プライス』みたいなものだったらどうしよう。


『ディオニュソスの階段』 ルカ・ディ・フルヴィオ

ディオニュソスの階段 上 (ハヤカワ文庫NV)ディオニュソスの階段〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)

 あまり読まないジャンルのものだけど、帯の「絶望小説」に惹かれて。


『零式』 海猫沢めろん

零式 (ハヤカワ文庫JA)

 裏面あらすじの『ニューロマンサー』っぽい大量ルビに恐怖を感じつつ。


『イリヤの空、UFOの夏』〈その1〉 秋山瑞人

イリヤの空、UFOの夏 その1 (電撃文庫)

オススメされたのでまずは一冊。