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アクセサメソッド - 本とか

2011-06-23[本] 冷たい肌

この本の映画化が進行している、という記事をどこかで読み、何となく記憶にとどめておいたところ、Amazon で行き当たり読んでみたら、これがまあおもしろいの何の。

カタルーニャ文学、との謳い文句は、この際、どうでもいい。ここに描かれた壮絶な戦いと、静かに狂っていく日常に、一気に引き込まれてしまった。

主人公はおそらくスペイン内戦によって絶望し、南極に近い孤島に気象管理官として志願する。そこで遭遇したのは、毎夜のように襲撃してくる異形の群れだった。

登場人物は極端に少なく、主人公の他には二人。一人は主人公の人生を豊かにしてくれるような相手ではなく、嫌悪感しか抱けないような人物。そして、もう一人は……。

主人公が直面するのは、表面的には生存のための戦いなのだが、読み進めていくと、全編を覆っているのは彼自身の孤独との戦いであることに気付く。孤独とは一人でいるときに感じるものばかりではなく、理解しあえない相手といるときにこそ感じるものなのだ。

いかにも、文学作品のようなタイトルにだまされてはいけない。これは、サバイバルホラーとして掘り出し物だ。


RezaReza2014/04/18 17:19This is both street smart and inigllteent.

2011-02-05[本] グイン・サーガ外伝22 ヒプノスの回廊

今度こそ、最後のグインサーガ

今まで読んだことのない短編があり、ひさしぶりにグインの世界に戻ってこられたような気がする。

表題作の「ヒプノスの回廊」は、実は結構問題作だといえる。なんとアウラとかグインの正体とかが明かされてしまう。

ただ、本編では、もはやグインの正体というようなものはあまり重要ではなくなっていて、それよりリンダの運命は、ゴーラの行く末は、スカールは、マリウスは、といった展開の方が気になっていたので、「ああ、やっぱりそうだったんだ」程度でしかなかったのだが。

「ヒプノスの回廊」の最後で、グインが奇しくも「もっとずっと素晴らしい世界だったが、そんなものには用はない」という感じか。

ともあれ、栗本薫グインは、これが本当に最後になるようだ。

5月から、他の作家による「グイン・サーガ・ワールド」が刊行されるという。

クトゥルー神話のように、多くの作家がグイン・ワールドを発展させていくのは嬉しい。


ettyanettyan2011/02/27 09:22おお,最後の外伝が・・・
そして,5月から雑誌形態で発売とな!
うれしいお知らせです。

2011-01-15[映画] スプライス

エイドリアン・ブロディサラ・ポーリーのホラーって、どんなの?

という好奇心から観たところ、意外に楽しめた。

ストーリーはよくあるといえばよくある、バイオホラー。

ちょっとぶっとんでる科学者夫婦が、新しい生命を生み出す。

最初はかわいいが、だんだん本性が現れてきて、ついに敵意を抱くになるって、まあ、ほんとによくあるB級ホラー。

でも、グロい生物系や、ちょっとエッチなシーンや、アレと○○しちゃうようなグロシーンなど、なかなか飽きさせない。

こういう系の映画好きなら、観ておいて損はないかもしれない。

一つだけ注意。デートで観に行く映画ではないのは確か。

AmberAmber2013/02/17 19:22Touhcdwon! That's a really cool way of putting it!

ldtikikldtikik2013/02/19 00:09fa1uFM <a href="http://lcqekvdogdkg.com/">lcqekvdogdkg</a>

mxosdmsoszmxosdmsosz2013/02/21 11:48ayt7tA <a href="http://wleqjgsusnsm.com/">wleqjgsusnsm</a>

2010-11-30

わたしを離さないで

| 01:12 | はてなブックマーク -  わたしを離さないで - アクセサメソッド - 本とか

物語として、文学として美しい作品。

カズオ・イシグロお得意の一人称で語られる、ある運命を背負った子供たちの物語。SF的な設定が背景にあるが、早い段階で事情が明らかにされるので、主要なテーマではない。

まるで目を閉じれば、そこに風景が浮かび上がるような生き生きとした描写が素晴らしい。

読書人なら一度は読んでおきたい傑作である。


2010-11-17

ここがウィネトカならきみはジュディ

| 02:20 | はてなブックマーク -  ここがウィネトカならきみはジュディ - アクセサメソッド - 本とか

SFでなければ書けない物語というものがある。

たとえばJ.P.ホーガンの傑作「星を継ぐもの」。「正体不明の死体の謎を追うミステリー」と言えなくもないが、「月面で発見された5万年前の死体」となると、SFでなければ成立しない。

そういう意味で、時間SFというジャンルは、まさにSFでなければ書けない物語の宝庫だと言えるのではないだろうか。

時間SFでは、過去に行くにしろ、未来に行くにしろ、行ったり来たりするにしろ、通常では不可能なできごとが起こる。起こすだけなら誰でもできるが、時間SFの醍醐味は起こしたできごとを、きれいに収束させることにある。これができていなければ、時間SFの意味がないと言ってもいい。

本書に収められた13篇の物語は、どれも時間SFの傑作だ。ロマンス、奇想、ループの3つのサブジャンルに分かれているが、そんなことを気にしなくても楽しませてくれることは間違いない。

特に気にいったものをいくつか挙げると、

イアン・ワトスン「彼らの生涯の最愛の時」

ある年の差の離れたカップルの別れと再会の物語。タイムトラベルのために、某有名バーガーチェーンが必要という(いい意味で)バカバカしいアイデアはともかく、彼らの執念には脱帽するしかない。

シオドア・スタージョン「昨日は月曜日だった」

ふとしたことで世界の裏側を見てしまった男の物語。これを読んで思い出したのが、ジム・キャリー主演のある映画。

デイヴィッド・I・マッスン「旅人の憩い」

文体も内容も、とにかくスピード感あふれる物語。場所によって時間の流れが変わるという世界で、一人の兵士の人生がめまぐるしく変化する。

リチャード・A・ルポフ「12:01 PM」

ループもの。主人公は、どうして正気を保っていられるのか不思議なほど、過酷な運命に見舞われる。

そして、もちろん表題作。

自分がこんな羽目になったら、もうこんがらがってしまうだろうと思う。運命に翻弄されながら、それでも必死で抗う方法を探そうという前向きな主人公たちに拍手。