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アクセサメソッド - 本とか

2010-11-30

わたしを離さないで

| 01:12 | はてなブックマーク -  わたしを離さないで - アクセサメソッド - 本とか

物語として、文学として美しい作品。

カズオ・イシグロお得意の一人称で語られる、ある運命を背負った子供たちの物語。SF的な設定が背景にあるが、早い段階で事情が明らかにされるので、主要なテーマではない。

まるで目を閉じれば、そこに風景が浮かび上がるような生き生きとした描写が素晴らしい。

読書人なら一度は読んでおきたい傑作である。


2010-11-17

ここがウィネトカならきみはジュディ

| 02:20 | はてなブックマーク -  ここがウィネトカならきみはジュディ - アクセサメソッド - 本とか

SFでなければ書けない物語というものがある。

たとえばJ.P.ホーガンの傑作「星を継ぐもの」。「正体不明の死体の謎を追うミステリー」と言えなくもないが、「月面で発見された5万年前の死体」となると、SFでなければ成立しない。

そういう意味で、時間SFというジャンルは、まさにSFでなければ書けない物語の宝庫だと言えるのではないだろうか。

時間SFでは、過去に行くにしろ、未来に行くにしろ、行ったり来たりするにしろ、通常では不可能なできごとが起こる。起こすだけなら誰でもできるが、時間SFの醍醐味は起こしたできごとを、きれいに収束させることにある。これができていなければ、時間SFの意味がないと言ってもいい。

本書に収められた13篇の物語は、どれも時間SFの傑作だ。ロマンス、奇想、ループの3つのサブジャンルに分かれているが、そんなことを気にしなくても楽しませてくれることは間違いない。

特に気にいったものをいくつか挙げると、

イアン・ワトスン「彼らの生涯の最愛の時」

ある年の差の離れたカップルの別れと再会の物語。タイムトラベルのために、某有名バーガーチェーンが必要という(いい意味で)バカバカしいアイデアはともかく、彼らの執念には脱帽するしかない。

シオドア・スタージョン「昨日は月曜日だった」

ふとしたことで世界の裏側を見てしまった男の物語。これを読んで思い出したのが、ジム・キャリー主演のある映画。

デイヴィッド・I・マッスン「旅人の憩い」

文体も内容も、とにかくスピード感あふれる物語。場所によって時間の流れが変わるという世界で、一人の兵士の人生がめまぐるしく変化する。

リチャード・A・ルポフ「12:01 PM」

ループもの。主人公は、どうして正気を保っていられるのか不思議なほど、過酷な運命に見舞われる。

そして、もちろん表題作。

自分がこんな羽目になったら、もうこんがらがってしまうだろうと思う。運命に翻弄されながら、それでも必死で抗う方法を探そうという前向きな主人公たちに拍手。


2010-10-31

モーフィー時計の午前零時

| 23:25 | はてなブックマーク -  モーフィー時計の午前零時 - アクセサメソッド - 本とか

日本初のチェス小説アンソロジーという珍しい本。

お目当ては、ゼラズニイの「ユニコーン・ヴァリエーション」。昔、SFマガジンで読んで、「チェスっておもしろそう」と思ってルールを憶えた短編だ。新訳だが、個人的には昔の訳の方がよかった。

とにかく、チェス小説ということで、チェスそのものが題材になっているものや、チェスはお飾り程度のミステリーなど、多種多様。SF、ミステリー、青春小説、etc...。なぜかノンフィクションも1話あり、ロード・ダンセイニ出題のプロブレムもある。

チェスの天才、ボビー・フィッシャーは「チェスは人生のようなものだ」という言葉に対して、「いや、チェスは人生そのものだ」と答えたとか。この本には、チェスに人生を左右された物語がいくつも出てくる。

チェス好きの人にも、ルールを知らない人にもお勧め。

KomerrellysrikarKomerrellysrikar2012/11/16 11:30I'm rellay into it, thanks for this great stuff!

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2010-10-11

ゾーイの物語

| 17:09 | はてなブックマーク -  ゾーイの物語 - アクセサメソッド - 本とか

「老人と宇宙(そら)」第3巻の「最後の星戦」の続編……ではなく、ゾーイの視点から描かれたサイドストーリー。「最後の星戦」で省略されてしまった、あの生物の謎とか、あの人の暗殺事件とかが描かれ、なおかつゾーイの成長物語にもなっているすぐれもの。

YAっぽい気もするが、世界観がしっかりしているので、一気に読ませるのがすごいところ。

「最後の星戦」読んだ人ならもちろん必読。

2010-09-27

LIMIT

| 01:07 | はてなブックマーク -  LIMIT - アクセサメソッド - 本とか

ようやく読み終わった。とにかく長い。

いろいろなところで書かれているようだが、1、2巻ではほとんど物語に動きがないので、かなり退屈。

物語は月面にオープンするホテルのオープニングセレモニーに招待されたセレブの一団と、地球で陰謀を追う探偵の物語が並行して進む。本来なら月面の方がメインになりそうなのに、地球でのアクションの方がおもしろいのが問題。

長さを半分にして、密度を濃くした方がよかったかもしれない。

個人的には訳文がとても読みにくかった。

原文がそうなっていたのかもしれないが、

 ○○は言った。

 「×××××××××××××××」

というパターンと、

 「×××××××××××××××」

 ○○は言った。

というパターンが混在していて、会話文が長く続くと、誰のセリフだかわからなくなってしまうことがたびたびあった。地球側で探偵と行動を共にする女性の話し方が、いわゆる男言葉なので、なおさら混乱することがあった。

ただ、宇宙エレベータやステーション、月面ホテルなど、SF的(すでに現実に近くなっているかもしれないが)なガジェットは、これでもかというぐらいに綿密に描写されていて、その点では楽しめた。

それだけに物語そのものの魅力が今一つなのが惜しい。