たんぺんよむ

2005-11-01 (Tue)

[] 『偶然のラビリンス』 デイヴィッド・アンブローズ

個人的にはデイヴィッド・アンブローズの変な作品たちはもう少し話題になってもいいと思います。『そして人類は沈黙する』は同テーマの『致死性ソフトウェア』よりも短かくて面白いと思いましたし、『覚醒するアダム』もちょっと変わった内容のホラー的作品で、相手を見てですがおススメしたい作品です。この2作は品切れですが、ブクオフなんかでたいてい105円で売ってまして、安いので是非。『幻のハリウッド』は読んでいないんですが、どうなんだろうなぁ。まぁ、短篇集らしいので手を出していないんですが。

”偶然”の不思議に気になりだした作家が、見ず知らずの男女と一緒に写る自分の幼児の頃の写真を発見したことから始まる物語。

帯に「”偶然”が導いた、”必然”の殺意……!」とか書かれていますので、そんなミステリっぽい展開にもなります。「トリッキーなサスペンス・スリラー」と裏表紙にありますが、モダンホラーやSFに耐性のない人には向かないかもしれません。

テーマは題にもある”偶然”、”シンクロシニティ”ですね。これを楽しげな方向に転がしていくのがこの作者の面白いところ。偶然には理由があるんだ、というところがいいですね、SFっぽくて。途中少々陳腐なミステリになってきたなと不安に思っていたんですが、やっぱりこれでは終わりませんよ、ねぇ、もちろん。

オチのまとまりが良すぎたのが逆に不満だったりしますが、構成がよいので読みやすく楽しい作品です。登場人物が思慮深いのも安心できますね。

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これを張ってたら『幻のハリウッド』新刊で手に入りにくい感じですね……どこかで確保しておかねば。

ettyanettyan2005/11/02 07:42デビッドアンブロズは、結構読んでます。幻のハリウッドは短編集です。結構質がいい短編集ですが、SF,ホラーっぽい感じはいつもの長編どおり、後は、映画や役者さんをモチーフにした作品ばかりなので、その辺にのれるかということと、短編集だということです。
無理には薦めませんが、安く売ってれば買っておいたほうがいいですよ。

nanatakenanatake2005/11/03 03:40創元の文庫って油断しているといつの間にか手に入り難くなっているんですよね。ディックの『いたずらの問題』もいつでも手に入るなと思っていて、いざ買おうと思ったらどこにも売っていませんでした。それを思ってどんどん本を確保しておくと未読本が山となってしまう罠。